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楽天・立花球団社長が語る「大物メジャーリーガーを獲れる理由」 (5ページ目)

  • 中島大輔●構成 text by Nakajima Daisuke
  • 小内慎司●写真 photo by Kouchi Shinji

―― 立花社長は就任時、三木谷オーナーから日本一と経営黒字化の使命を与えられました。黒字化のために、「ユーキリスを獲得すれば、お客さんが来てくれるのでは」という考えもありますか?

「もちろんです。でも、そこのプラスアルファはそんなに大きくないと思います。ただ、将来的にユークは『生で見たことがあるよ』と自慢できるくらいの選手じゃないですか。AJもそう。彼らが地元に来て、握手をしてくれたら、子どもたちが将来、『ああいう選手がいた』と言えるじゃないですか。それだけでもすごくないですか? そういう意味で、投資というか……。そういった選手がうちでプレイしてくれると、長い目で見てもうちのファンに返ってくる。もちろん、彼らが活躍してくれて、勝つことがいちばんです。でも、プラスアルファがあるから、値段が高くなってもいい。リスクを取ってでも、投資しなければいけない部分は出てきます。ちゃんとこういう選手を獲り続けて、勝ち続ければ、僕らがやっていることは正しいと証明できると思います」

―― 立花社長は外資系金融畑を歩んできた方ですが、球団経営にも前職の経験が非常に生きているんだなと感じます。

「僕の立ち位置として、野球をあまり知らないほうがいいと思うんですよ。長くやりすぎて野球を知りすぎちゃうと、口も出したくなるし、変なことをしたくなります(笑)」

―― 話をユーキリス選手に戻しますが、年俸3億円(推定)は日本球界の基準では高いと思います。

「超高いです。」

―― 選手の評価に応じての金額だと思いますが、経営黒字化という目標のなか、どこまでが出せる範囲なんですか?

「2013年度は黒字化が決定しました。2014年も、8月にkoboスタジアム宮城の観客席を2万8723人まで増やします。僕らはトップラインを伸ばしていくしかない。田中将大が抜けても、勝ち続ける集団でなくてはいけない。そういう意味で、今年はすごくチャレンジの1年になります。本拠地開幕戦の4月1、2、3日にどのくらいのお客様に来ていただけるのか、すごく楽しみで、ワクワクします。企業として、2013年以上に売上を伸ばせるような環境を作るために、僕らは攻めていかないといけないと思っています」

次回に続く

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