山﨑武司×中村剛也が語る「バレンティンの60本塁打」

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 阿部卓功●写真 photo by Abe Takanori

―― 中村選手は2013年シーズン、ケガの影響でほとんど試合に出られませんでしたが、統一球騒動をどのように見ていましたか。

中村 言われてみれば、確かに飛んでいると思ったんですけど、ただ自分で打ってみるとそんなに変わらないんですよ。

山﨑 オマエは統一球導入の年(2011年)も48本も打ったからな。力の抜きん出た人間にとっては、ボールなんて関係のないことなんだよ。まあ、今回の統一球騒動に関しても、シーズン前にしっかり説明しておけばあんなことにはならなかった。現場では選手全員、オープン戦からわかっていたからね。

中村 ただ、もし昨シーズン、僕が例年以上にホームランを打ったとして、「飛ぶボールのおかげだ」って言われていたらすごく嫌だったと思うんですよ。60本打ったバレンティンのことだってそういう目で見ている人がいるでしょうし、それはちょっと違うんじゃないかって思います。僕はバレンティンを見ていてすごいと感じたし、どこまでも記録を伸ばして欲しいと思っていましたよ。

山﨑 バレンティンはホームランバッターだけど打率も残したよね。飛距離もすごいけどミートする能力も高い。

中村 そうですね。とてもじゃないけど僕にはあの打率は残せません。

山﨑 でも、首位打者だったら誰でもチャンスがあると思うけど、ホームラン王は選ばれた人間じゃないと狙えない。だからこそ、外国人と競い合ってタイトルを獲ると本当に嬉しい。以前、王(貞治)さんとお話しする機会があって「やっぱり日本人がホームラン王を獲らなければダメだ」って発破をかけてもらったんだ。だから中村は2014年、バレンティンの記録を超えなきゃ、だな。

中村 頑張ります(笑)。

>新春対談(2)

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る