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元巨人ドラフト1位・辻内崇伸「8年間の悔恨」を語る (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 日刊スポーツ●写真 photo by Nikkan sports

―― 常に故障との闘いだったわけですが、この8年間で満足に投げられた時はありましたか。

「シーズンが終わって、フェニックスリーグの頃になると、いつもいい球を投げられるようになるんです。150キロが出たりして。先輩からも冗談で、『フェニックスのために調整していたんか?』って言われたり(笑)。でも、翌年のキャンプになると、どこか痛めてしまう。その繰り返しでした」

―― 万全の状態で勝負してみたかっという気持ちは?

「当然ありました。万全の状態で投げて、実力がなくクビというのならもっと納得できたと思うのですが、本当の意味で勝負の舞台に立てなかったですからね。もちろん、そういうのも含めて実力がなかったのだとは思いますが、一度ぐらいは痛みに対する不安がないという状態で、並みいるプロの強打者と対戦してみたかったです」

―― もし時間を戻せるのなら、それはいつですか?

「うーん……強いて挙げれば、小学校5年の時ですかね。あの時にもっと勉強していれば、いろんな選択肢があったと思うんです。例えば、ケガの不安を抱えたまたプロに行くのではなく、大学を経由することもできたかもしれない。もちろん、プロ野球選手になれたことは嬉しかったですし、なかなか味わえないような経験もさせてもらって、すごくいい時間を過ごすことができました。でも、5年の時にもっと勉強していれば……。僕の中の人生のターニングポイントでしたね(笑)」

―― 最後に今後の予定を聞かせて下さい。

「まだ最終的には決まっていませんが、不動産関係の仕事に就こうかと思って、今は勉強中です。昨年に結婚して、来年には子どもが生まれますので、しっかりしないとダメなんで。野球の世界からは離れますけど、気持ちは完全に吹っ切れています。でも、草野球ぐらいは楽しくやりたいので、肩、ヒジの痛みだけは早くなくなってほしいですね」

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