嗚呼、ベイスターズを出て幸せになった男たちがいっぱい (3ページ目)
ベイスターズから移籍した選手の中で、2球団にわたって日本一になったのが石井義人だ。西武では2004年と2008年に、そして2012年に移籍した巨人では代打の切り札として勝負強い打撃を見せ日本一に輝いた。
この他にも、横浜から移籍して活躍した選手は多い。2009年にFAでヤクルトに移籍した相川亮二は、正捕手としてチームに欠かせない存在となり、クライマックスシリーズに3度出場している。ベイスターズの生え抜きではないが、寺原隼人(現ソフトバンク)も横浜からオリックスに移籍した2011年に12勝をマークした。
「彼らがいたら、ベイスターズも今よりは……」などという“たら”“れば”が禁物なことは十分承知している。また、選手たちが新天地で躍動するのも喜ばしいことである。ただ、ベイスターズファンは複雑な心境かもしれない。日本シリーズ中、藤田はこんなことを言っていた。
「やっぱり選手は試合に出ないと。試合に出る喜びは大きいし、勝つことがこんなに楽しいんだっていうことを知った。ただ、同時に怖さも知った。でも、そうした緊張感がたまらない」
おそらくベイスターズファンは、他球団ではなくベイスターズで、選手が幸せになる日を待ち望んでいる。
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