いざCS!楽天は短期決戦に強いのか、弱いのか?

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke 荒川祐史● photo by Arakawa Yuji

 球団創設9年目でリーグ初優勝を飾った楽天が、10月17日、いよいよポストシーズンの戦いを迎える。ペナントレースで2位・西武に7.5ゲーム差をつけたチームは、果たしてクライマックスシリーズ(CS)、そして日本シリーズという、短期決戦を勝ち抜く強さを持っているのだろうか。

ポストシーズンでも田中将大のピッチングに注目が集まるのは間違いないポストシーズンでも田中将大のピッチングに注目が集まるのは間違いない 短期決戦のポイントについて、元楽天投手で解説者の山村宏樹氏はこう指摘する。

「重要なのは、『レギュラーシーズンと同じ戦いをできるか』でしょうね。リーグ優勝を決めた後は、気持ち的にホッとした部分が出てしまい、良くない戦い方をしてしまいました。でも、相手がロッテであれ、巨人や広島であれ、レギュラーシーズンの戦い方をできれば、日本一になれると思います」

 楽天を初優勝に導いた最大の原動力は、開幕から24勝無敗でレギュラーシーズンを終えた田中将大に他ならない。今季のチーム成績は82勝59敗3分で、貯金23は、まさに田中が稼いだ数字とほぼ同数だ。絶対エースに牽引された楽天が今季、大型連敗を喫したのは8月17日からの5連敗のみ(期間中の先発は辛島、ダックワース、戸村、美馬、則本)。連敗後にチームを必ず勝利に導く田中の存在は短期決戦でも大きなアドバンテージになると、楽天初代監督で解説者の田尾安志氏は見ている。

「楽天の最大の強みは、田中で必ず1勝できること。CSのファイナルステージでは1勝分のアドバンテージがあるから、初戦を田中で取れれば2勝分のリードになります。すると、『そこから3連敗しても、まだ巻き返すことができる』と逆算して戦うことができる」

 しかし、田中が先発した日のチーム成績は26勝1敗と圧倒的強さを誇った一方、次の試合は11勝16敗という嫌なデータもある。その一因は、リーグ2位タイの15勝(8敗)を飾った則本昂大を、田中と別のカードで先発させたことだ。この起用法は大型連敗を避ける目的では有効だったものの、短期決戦ではどんな先発ローテーションを組むべきだろうか。

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