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出塁率なんと8割! 花巻東・千葉翔太が見せる「極上の技術」 (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 確かに、一方ではこんな声もある。

 4年前、前出の佐藤は関西で練習試合をした際、甲子園でも主審を務める審判にこんなことを言われている。

「打つ気がないならアウトにするぞ!」

 また岩手県のある審判には、「あれは“要警戒”。次はアウトにする」と息巻いている人もいる。

 さらに今夏に解説者として甲子園を訪れていたある監督も、このように話していた。

「スリーバント失敗というルールがなぜあるのか。彼はバスターのような打ち方で明らかに前に打つ気がない。遅延行為ととられても仕方がない」

 しかし、言うまでもなくファウル打ちはルール違反でも何でもなく「技術」である。千葉は身長が低くても、自分ができる役割を100%果たしているだけだし、そんな彼の姿に甲子園のファンの多くが喜び、声援を送っているのだ。

 準々決勝までの3試合で千葉は、10打数7安打の打率7割。これに5四球を加え15打席で12度も出塁し、出塁率は驚異の8割をマークしている。まさに花巻東快進撃の立役者である。千葉の好きな言葉は「小さな巨人」。スター不在となった甲子園で主役の座を奪った156センチの“巨人”が、東北勢悲願の初優勝へと導くか。千葉の活躍がすべてのカギを握る。

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