今や巨人のエース! 評論家7人の「菅野智之」論 (3ページ目)

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 一方、打者目線で見た場合、菅野のピッチングはどのように映っているのか。

◎谷沢建一氏(元中日、通算2062安打)

「フォーム自体まとまっているしコントロールもいいから、打ちづらさは感じないと思うんです。でも、球持ちが素晴らしく、バッターからしてみれば予想以上にピュッと来るんじゃないかな。そうなると、非常にタイミングが取りづらい。菅野のピッチングを見ていていると、差し込まれるバッターが多いのは、そこに理由があるかもしれない。タイミングが取りづらい上にコントロールもいいから、打者は簡単に追い込まれてしまう。投手に主導権を握られるのは打者にとっては嫌なもの。それだけ菅野が素晴らしい投手ということですよ」

◎金村義明氏(元近鉄など)

「あれだけコントロールがいいと、打ち崩すのは難しいですよね。開幕当初はゲーム終盤になるとコントロールミスもたまにあったんですが、シーズンが進むにつれてそれもなくなってきました。球種も多く、なおかつコントロールがいいとなると、バッターはどの球に絞ればいいのかわからない。ちょっと手がつけられないピッチャーになってきましたね。上原(浩治)のコントロールと、全盛期の松坂(大輔)のキレを併せ持つイメージがあります。ピッチングにうまさと強さがありますよね。1年間のブランクがあったので『最初はどうかな?』と思っていたんですが、そんな心配はまったくありませんでした。昨年は本当に辛い浪人生活だったと思うんです。同級生もいないし、真剣勝負もできないわけですから。ただ、あれを乗り越えた強さが今の菅野にはある。マウンドでの姿を見ていて、人間的な強さを感じます。それも彼のピッチングを支える上で、大きな武器になっていると思いますね」

 多くの評論家たちが絶賛する菅野。今や巨人のエースと言っても過言ではないだろう。そればかりか、球界のエースになるのもそう時間はかからないように思えてならない。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る