なぜ巨人はパ・リーグの球場でホームランが打てないのか? (2ページ目)
交流戦に入ってからホームランが減少している巨人だが、本当にパ・リーグ投手陣のインコース攻めに苦しんでいるのか。パ・リーグ某球団のスコアラーは、巨人打線についてこう分析する
「確かに、巨人打線はインコースに弱いという印象はあります。ただ、インコースばかりを突いているのかといえば、実はそうでもない。もちろん要求はしているのですが、そこに投げ切れるピッチャーが少ないんです。だから失投も多くあるのですが、捉えきれていない。特に、パ・リーグの球場でこうした場面をよく見ます。その理由として考えられるのが球場の広さです。パ・リーグで使っている球場はセ・リーグに比べて広いですから、バッターの中でしっかり振らないと飛ばないという意識があると思うんです。いつも以上に力んでいるバッターが多いような気がします」
また、評論家の金村義明氏は巨人が交流戦で苦しんでいる理由を、「東京ドームの野球に慣れてしまった弊害が出ているのかもしれない」と指摘する。
「東京ドームでの試合は一発で決まることが多い。バッターもホームランの効果を知っていますから、もちろん打ちたいし狙いにいきます。ただ他の球場と違い、東京ドームはうまくミートさえすれば入ってしまいます。だから、バッティングを追求しているかといえば疑問が残ります。だから、広い球場に行ったときに対応できていない印象を受けますね」
その言葉通り、今シーズン巨人は東京ドームで26試合を戦い、本塁打は31本(1試合平均1.19本)。勝敗も17勝7敗2分と7割を超えるなど、圧倒的な強さを見せている。この数字を見る限り、いかに東京ドームでの一発が効果的かわかる。一方、東京ドーム以外の球場では、28試合を行ない24本塁打(1試合平均0.86本)。勝敗も13勝14敗1分と苦戦。さらにパ・リーグ主催のゲームとなると、先述のように8試合で4本塁打、2勝6敗。交流戦で苦しんでいる理由がよくわかる。
交流戦もあと8試合。東京ドームで4試合、京セラドームで2試合、ヤフオクドームで2試合を残している。果たして、パ・リーグ主催のゲームで自慢の一発攻勢を見せることができるのか。昨年の覇者・巨人の戦いぶりに注目したい。
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