【プロ野球】吉井理人が語る「投手・大谷翔平にいま必要なこと」

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

4月11日のイースタンリーグのロッテ戦で、公式戦プロ初登板を果たした大谷翔平4月11日のイースタンリーグのロッテ戦で、公式戦プロ初登板を果たした大谷翔平 現役時代は日本プロ野球、メジャーリーグで活躍し、2008年から5年間は日本ハムの投手コーチを務めてきた吉井理人氏。ダルビッシュ有や斎藤佑樹など、数多くの選手を指導してきた吉井氏に、二刀流に挑戦している大谷翔平の「投手」の部分について語ってもらった。

「二刀流」に挑戦中の大谷翔平選手が、イースタンリーグのロッテ戦に先発し、公式戦プロ初登板を果たしました。4回を投げ5安打、3失点と、数字だけを見れば残念な結果に終わりましたが、決して悲観する内容ではなかったと思います。

 まずこの日のピッチングを見て感じたことは、実戦での経験が明らかに不足しているということです。ピッチャーというのは、ブルペンでどれだけ投げても、試合で投げない限り感覚を取り戻すことができません。大谷選手を見ても、まだ自分のいちばんいい時の感覚に戻っていない印象を受けました。だから、抜け球が多く、ストレートの球速にもばらつきが出る。ただ、フォームに欠点があるわけではないし、このまま実戦経験さえ積んでいけば、感覚は確実に取り戻せるはずです。問題があるとすれば、どういった調整法をするのかということではないでしょうか。

 そもそも、何をもって「二刀流」なのかがはっきりしていません。少なくとも投手か野手、どちらをメインで考えているかがわからない。それによって調整法も変わってくるはずです。例えば、中6日のローテーション投手の場合、1週間のおおまかなスケジュールは次のようになります。

登板後1日目:軽めランニング、回復のための軽い負荷でのウエイト、遠投
登板後2日目:軽めのトレーニング、場合によっては休んでもいい
登板後3日目:ブルペンに入り、60%の力で50~80球のピッチング
登板後4日目:軽めのトレーニング
登板後5日目:ブルペンに入り、70~80%の力で30~50球のピッチング。筋力アップのための重い負荷でのウエイト
登板後6日目:軽めのトレーニング

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