【プロ野球】立浪和義×野村弘樹が語る「子どもたちへのメッセージ」 (2ページ目)
野村 来年はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)があるし、おそらく地上波で放送されるだろうから、ぜひ多くの人に見てもらいたい。オリンピックもそうだけど、やっぱり国際試合というのは注目が集まりますからね。
立浪 普段、野球を見ない人がWBCをきっかけに興味を持って、球場に足を運ぶようになったという例もある。だから、ああいう大会は大事にしないといけない。
―― 他のスポーツにはない野球の魅力は何だと思いますか。
立浪 野球は走る、打つ、守るなど、身体能力の高さとセンスが必要だと思われがちですが、すごく選択肢が多いスポーツだと思うんです。例えば、球が速くてコントロールのいい人、足が速い人、ボールを遠くに飛ばせる人といった具合に、自分の特性を生かせる場所は必ずあります。足も速くない、守備も苦手、でも打つことに関しては誰よりも優れていれば、それだけで試合に出られる。
野村 僕の個人的な考えですが、野球の魅力はバッティングだと思うんですよね。ボールを遠くに飛ばした時の快感は何とも言えない。気持ちよく思い切りバットを振ることは、野球の面白さを知るいちばんの近道かもしれない。だから、バッティングセンターに遊びに行くのもいいと思いますよ。あとはタツが言うように、野球は9人でやるスポーツだけど、9人の個性や特性がひとつにまとまってチームになるわけです。体が小さくても、足が遅くても、必ずやれるポジションがあります。
立浪 不器用でも努力次第で絶対にうまくなる。別に自慢するわけじゃないけど、僕は器用で何でもそつなくこなすことができたんです。でも、そのことで逆にフォームが固まらず苦労した経験がある。不器用な子は習得するまで時間がかかるかもしれないけど、コツコツ努力をして、これだというカタチが出来上がると崩れることはない。
野村 確かにそうだよね。器用な選手って上から投げても、横から投げてもストライクを取れちゃうんだよ。ところが不器用な選手はそれができない。ただタツが言うように、努力してつかんだものは絶対的な強さがあるし、簡単に失うことはない。その代わり、人よりもたくさん練習しないといけないし、忍耐力や継続力も必要になる。
立浪 どんなことでも、最初からあきらめないこと。『絶対にやるんだ』と強い気持ちを持っていれば、できないことなんてない。
続く
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