Baseballプロ野球

 ただ、外からは批判を招きやすい、落合の言葉も、こと野球に関しては強力な武器となる。落合は選手を褒める時も、叱る時も、やはり純度100%の言葉を浴びせる。遠慮も、情もない、混じりっけなしの言葉は、そのまま監督・落合からの評価だ。それが選手にとって己の力量を計る指標となる。

「お前、このままだと今年で引退だな」

 今季から加入したベテラン佐伯貴弘は、落合からこう言われ続けてきたという。実績のある選手ならば、腹を立てそうなものだが、佐伯はグラウンドでも、ベンチでも、落合の言葉を求めて、耳をそばだてる。

「落合監督の言葉っていうのはそのまま受け取ればいいと思う。いいものはいい、だめなものはだめ、と言ってくれる人だから。おかげで、サビを落とせたよ」

 中日から戦力外通告を受けた佐伯は、今、現役続行を心に決めている。地球の裏側に行ってでも、やろうと決めている。落合の言葉がベテランの心に、火をつけたのだ。

また、この8年間、落合から最も叱咤(しった)されたであろう荒木雅博はこう言う。

「監督から『頑張れ』なんて言われたことはない。どこがいいか、どこが悪いか。そこを指摘される。あの人がいいと言ったらそれは本当にいいんだと思うし、だめと言ったら本当にだめなんだなと思える」

 本音むき出しの言葉だからこそ、選手からは信頼される。技術を追求するプロ同士の間には建前など邪魔なだけなのだ。外に向ければ「毒」となる落合の言葉は、内に向けては「薬」となる。職人の言葉は、職人にしか理解できないということなのだろうか。

 曲解されるくらいなら沈黙を選ぶ。自分を曲げるくらいなら孤独を選ぶ。そのスタイルが正しいとは思わない。ただ、確実に言えるのは、落合は今後もスタイルを変えないということだ。これからも、誤解や、批判や、論争とともに歩んでいくだろう。建前なんて似合わない。それでこそ、落合博満なのだ。

(完)

フォトギャラリー

木戸愛 女子ゴルフ U-23美人系(1)
  • Sportivaの本 スポルティーバから発売されている書籍の一覧はこちらから。
  • Sportiva Present
  • スポーツビーナスギャラリー
  • オレの一枚
  • Athlete Private Shots
  • スポルティーバ・インタビューズ
  • スポアナアスリートレポート TBS枡田アナ他レポート中!
  • 小田嶋隆「二次観戦者の帰還〜キス・ユア・アスリート」
  • 金村義明の プロ野球人情派
  • フォーメーション進化論 福田正博
  • 名波浩の視点 Nanami’s Eye
  • 福島良一 MLBコアサイド

過去の記事

2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
  • 週プレ大学

Sportiva Channel

YouTubeへ

    人気記事ランキング

    ランキング一覧

    今日
    昨日
    週間
          • Get Adobe Flash player
          • 週プレNEWS
          • web Sportiva twitter official

          モバイルサイト

          QRコード

          モバイルサイトも更新中!

          URLをメールで送信

          QRコード

          会員登録はこちら

          URLをメールで送信

          お問い合わせ

          読者係:
          03-3230-7755
          編集部:
          03-3230-6058