[2011年10月08日(土)]
【インタビュー】中村剛也が語るホームラン量産のワケ(1)「スイングは鈍いほうが飛ぶ」
- スポルティーバ●構成 text by Sportiva
- 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro
統一球元年――各打者が対応に苦しむ中、ホームランを量産し続ける男がいる。それが埼玉西武ライオンズの主砲・中村剛也だ。10月6日現在、44本塁打を放ち2位の松田宣浩(ソフトバンク)に20本差をつけるなど、ひとり別次元で打ちまくっている。なぜ中村は飛ばないボールをいとも簡単に飛ばすことができるのか? ライオンズOBであり、プロ野球評論家の大塚光二氏が核心に迫った。
大塚 今年から統一球が導入されたけど、最初はどんな印象だった?
中村 芯でとらえれば、飛距離もさほど変わらないなと思ったのですが、芯を外すと以前よりは飛ばない印象がありましたね。特にシーズン序盤は、昨年なら「入っていたなあ」と思う当たりが何本かありました。
大塚 とはいえ、他の選手があれだけ苦戦している中、ひとりホームランを量産している。何でそんなに打てるの?
中村 自分の中ではそんなに打っているイメージはないんです。
大塚 ホント? でも「何でそんなに飛ばせるの?」って聞いてくる選手もいるやろ?
中村 よく聞かれますね。
大塚 何て答えてるの?
中村 「普通に飛びますよ」って言ってます。
大塚 普通に飛ばんから聞いてるのに(笑)。自主トレ、キャンプと統一球対策として何か取り組んだことや、変えたことはある?
中村 特別なことは本当に何もしていません。打ち方もポイントもすべて同じです。
大塚 バットの重さや形状を変えたりは?
中村 何ひとつ変わってないです。昨年と一緒です。
大塚 聞いたところによると、6月に京セラドームで中山慎也(オリックス)から打ったホームランがきっかけで、「これで今シーズンはいける」と確信したらしいけど、具体的にはどういうこと?
中村 それまでは統一球は詰まると飛ばないという意識がすごく強かったんです。でも、あのホームランは結構詰まったのにスタンドまでいった。それから「詰まってもいいんだ」と、すごく楽に考えられるようになったんです。それに右手で押し込む感覚をつかめたんです。感覚的なことなので、なかなか説明するのは難しいのですが、ボールがバットに長くくっついている感じですね。
大塚 そこから量産しはじめたよな。
中村 あれ以来、昨年と同じでいいんだと思えるようになりました。統一球に対する変な意識がなくなりました。
大塚 今年の試合を観ていて、ポイントがうしろ(キャッチャー寄り)よりも前でさばくバッターの方が打っている印象が強いんだけど、中村も前でさばくタイプでしょ?
中村 どうなんですかね。特別、前でさばいている意識はありません。自分ではいちばん飛ぶところで打っている感じなんで。
大塚 ホームランの時は、ポイントにボールが吸い込まれていく感じがする。
中村 調子のいい時はそうですね。
大塚 以前、「僕はスイングスピードが鈍いなと思うときのほうが状態はいいんです」って言っていたけど、それはどういう意味?
中村 もちろん、スイングスピードは速いほうがいいと思うんですけど、スイングが早くなり過ぎると、余計な力が入って、ブレが生じてしまうんです。スイングがブレるといい角度で打球も上がらないですし、タイミングも狂ってくる。だから今は、どれだけゆっくり振れるかがテーマです。
大塚 ただ、これは他の人が真似しようとしてもできないと思う。ゆっくり振って、遠くに飛ばすというイメージができないから。
中村 結局、ゆっくり振っても力は勝手に入るので、しっかりとらえれば飛びます。




















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